芋井地区の名所である隠滝(かくれだき)に行ってきました。
善光寺からは直線距離にして北西に4.5km、車で20分
足らずの所にあります。あまり知られていませんが、高低差
30メートル程もある見事な滝です。
この隠滝の脇にはお堂があって、身の丈が4.55メートル
もある巨大な不動尊がまつられています。
つくられたのは、明治35年(1902)。善光寺の南、
長野市北石堂町にいた塚田専治という仏師によってでした。
塚田氏といえば、現在も、塚田神仏具店が善光寺表参道に
あります。
長野市は、現在いくつもの地区に分かれ、中心の市街地は
第1〜第5、その周りには芋井、芹田、三輪などの地区が
あります。
ところが、善光寺の始まりを伝える「善光寺縁起」によると
善光寺のご本尊は「水内郡芋井郷(いもいごう)」にまつられたと
なっています。芋井というと、現在は門前と関係がないようです
が、実は善光寺のある所も古代は、芋井と呼ばれていたのです。
明治22年に芋井村という村ができ、それが現在の長野市
芋井地区になっています。しかし、これは芋井郷の一部に
すぎません。
芋井郷とはどこでしょうか? はっきりとしませんが、
善光寺や善光寺の西山中(今の芋井地区)だけでなく、
三輪や中御所、安茂里あたりも含む広い地域だったとする記述も
あります。上高田の国道18号線近くには、芋井神社という神社
(明治になって、古代の芋井にあやかって名前をつけた)まで
あります。
地名とは不思議なもので、今の感覚では、善光寺が芋井にある
はずがないと思ってしまいます。でも、もともと、平野部の門前も
その西の現在の芋井もつながっている地域です。