門前の周辺には、かつてたくさんの温泉がありました。

 湯谷、塩沢、焼野、山の神、伊香保、往生寺、狐池、裾花、竜宮淵、茂菅

 塩沢、狐池、茂菅は、それぞれ最盛期は2軒もありました。

 実際には温度が低いので、わき出す冷泉を沸かしていて、
「鉱泉」と呼ばれるものでした。

 下の地図は、2006年発行の長野郷土史研究会の機関誌
『長野』249号に掲載したもので、私がまとめました。(デザイン:近藤弓子氏)

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 門前周辺の温泉は、江戸時代の終わり頃から盛んになりましたが、
現在まで江戸時代からずっと続くのは、箱清水の「山の神温泉」のみ
です。ただ、山の神温泉は、宿泊客のみが入浴できます。

 これらの温泉を最も利用してきたのは、善光寺の参拝者というより、
門前町の人たちです。ぶらりと山手の温泉を楽しみに行くのは、
かつて門前町に根付いた文化だったわけです。

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