娘との散歩を日課にしています。
門前に越してきてからは、その散歩がぐっと楽しくなりました。
何しろわが家から善光寺さんまで、徒歩1分足らずですから、
よほどの雨でない限り、ほぼ毎日、境内から仲見世、
あるいは城山公園へと足を向けています。
さすが長野県が誇る観光地、いつも多くの人でにぎわっています。
さて先日、いつものようにベビーカーを押して善光寺さんへ足を踏み入れました。
その日は気持ちのいい秋晴れで、平日にも関わらず、
境内はいつにも増して多くの人で賑わっていました。
お宮参りに訪れた生後間もない赤ちゃんとその家族、
七五三を祝う子どもとその家族、
写生に訪れたらしい小学生の一群、
娘と同じ年頃の子どもを引き連れた保育士さんたち、
車椅子を押されるお年寄りのグループ、
法事に訪れたらしい黒づくめの人々。
そこへ紋付袴の花婿さんに手を引かれた、
白無垢に角隠しの花嫁さんが現れました。
境内は歓声に包まれ、「おめでとう」の声と拍手の音が湧き上がります。
観光客や犬の散歩途中の人、
晴れ着姿の人、喪服を着た人、
みんなが笑顔で見守ります。
その真ん中で、花婿さんと花嫁さんはうれしそうに、恥ずかしそうに、微笑んでいました。
その光景を前に、私は胸がいっぱいになってしまいました。
人生のハレとケ、人々の慶弔、すべてをまるごと包み込む、
善光寺さんという場所を象徴するようなできごとでした。
(妻記)
藤屋旅館がTHE FUJIYA GOHONJINとなってから、
善光寺さんで花嫁さんの姿をよく見かけるようになりました。
湯福神社となりにできるカフェは「トケトケ」といいます。
オーナーシェフの井上誠さんと、パートナーの大石美穂さんのふたりで
開店準備をすすめていらっしゃます。
先日、おふたりから試食会のお招きを受け、家族3人で出かけてきました。
まだまだ改装途中とはいうものの、
店内はとてもいい雰囲気に設えられていました。
深い色合いの天井と風合いの合った床板が新たに張られ、
漆喰の壁が、やわらかな印象です。
カリモクのソファやアンティークのミシン、
年代ものの掛け時計や黒電話など、
古いながらも現役の調度がそこここに配されています。
照明や音響が整ったら、さらに居心地のいい空間になるでしょう。
招待を受けた総勢9名でテーブルを囲み、
飲み物を傾けながら、焼きたてのフォカッチャやパスタなど
井上シェフの料理を堪能しました。
パンケーキとカプチーノもおいしかったなあ。
9、10日に催される湯福神社のお祭りに合わせて
プレオープンするそうなので、ぜひ行ってみてください。
(妻記)
わが家の目と鼻の先にカフェレストランができます。
長年、空き家だった一軒家を全面改装している最中です。
工事の音に惹かれて覗いてみたら、
オーナーシェフの井上誠さんが
砂壁に漆喰を塗っているところでした。
井上さんは大阪の出身ながら、山が好きで長野に越してきたそうです。
県内のイタリアンレストランなどで修業を積み、
満を持して自分の店を持つこととなりました。
「秋の湯福神社の紅葉が気に入って、この場所に決めたんです」と井上さん。
道を挟んですぐが湯福神社の境内です。
しかし、人通りはお世辞にも多いとは言えません。
通りかかる人の大半は長野西高の生徒たちです。
期待半分、心配半分。
僕はこの町が好きなので、
この町で商売をしようとする人は応援したくなります。
開店したら、ぜひお立ち寄りください。
パスタを中心に、ランチもディナーも対応する予定とのこと。
もうすぐオープンです。
(夫記)
僕は愛煙家ですが、タスポを持っていません。
これまでは大概コンビニで煙草を買っていたのですが、
最近はもっぱら最寄りの煙草屋さんで買っています。
とは言っても、屋号すらなく、店内にも在庫はないらしく、
「すいませーん」と声をかけるとおじさんが出てきて、
自販機にタスポをかざしてくれます。
もし僕が逆の立場なら「タスポつくったらどうかね?」と
言ってしまいそうなもんですが、
おじさんは毎回ニコニコ笑って
「商売だから当たり前だよ」と言いながら出てきてくれます。
今日は「いつもありがとう」と言ってリンゴをくれました。
僕が煙草を吸い始めたきっかけは、初めての海外旅行でした。
煙草を吸っている間は、手持ち無沙汰なものです。
喫煙所というのは、そうした人間が集まっているわけで、
見知らぬ土地で、友だちをつくるには最適な場所なのです。
日本の煙草を差し出し、拙い外国語で「交換してくれる?」と話しかけると、
「どこから来たの?中国人?」などと話がスタートします。
これまで20カ国近く旅して回りましたが、
どの国でもこれで結構友だちをつくりました。
そんな訳で付き合い始めた煙草ですが、10月1日から大幅な値上げです。
月のお小遣い総額とつき合わせてみれば、やめざるを得ません。
煙草とさよならするのも寂しいですが、
煙草屋のおじさんと接点がなくなるのも寂しいな。
(夫記)