幼子がいると、なかなか外食ができないものです。
座敷があって、子どもが食べられるメニューがあって、
そして、子どもが騒いでもそれを許容してくれる大らかな雰囲気。
なおかつ、大人も食べたくなる味。

それらを全て満たしてくれる「しまや食堂」には
子ども連れでちょくちょく訪れていました。

各メニューの大盛りは「二人前か!」とツッコミを入れたくなるような盛りの良さ。
おかげで、ラーメン大盛り(600円)と肉丼大盛り(800円)計1400円で、
家族四人のお腹を満たすという、高いコストパフォーマンスを実現。
ファミレスだと、そんな値段で4人がお腹いっぱいというわけにはいきません。

shimaya_anzai.jpg



その「しまや食堂」が年内で営業を終了します。
あのやさしい味のラーメンがもう食べられなくなると聞いて、
今日は家族で食べに行ってきました。

おばさんは今日もニコニコ、何も言わなくても小皿を持って来てくれました。
今日も肉丼とラーメン。
帰り際、「お店、閉めちゃうんですか?」と尋ねたら
「ごめんなさいねぇ」とちょっと困ったような笑顔を見せました。

お店の歴史などを取材しようと思っていた僕は、
静かに幕を閉じようとしている、
もともと寡黙な店主と奥さんに質問をするのが憚られて、
「いつもおいしかったです」とだけ伝えて、店を後にしました。

寂しいけれど、もう結構なお年ですもんね。
今までお疲れ様でした。

(夫記)
ページ先頭へ