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日曜日、ポストを開けたら素敵なプレゼントが入っていました。
natunatunaさんによる安斎家全員の似顔絵が描かれたポストカードです。

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先週の日曜日、シンカイ金物店とbook&cafeひふみよ、そしてバーバラカフェの
三カ所で開かれた「シンカイグリーンマーケット」にわが家も
「安斎家のフツウな洋品店」として出店し、古着や雑貨を出品しました。

わが家が出店した「ひふみよ」で、ご一緒したのがnatunatunaさんです。
natunatunaさんは、その場で似顔絵を描きつつ、ポストカードを販売していました。
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背後に並ぶポストカードの素敵さゆえか、
natunatunaさんの前には常にお客さんが並び、食事もとれない忙しさ。
僕が店番を放棄してフラフラ遊び歩いている間も、ずーっと描いていたはずです。

それを考えると、わが家全員の顔をじっくり見ている時間など
わずかだったと思うのです。
にもかかわらず、この「いいとこどり」の観察眼。
こんなに素敵じゃないよ安斎家、と思いつつも、
たまにはこんだけ素敵なときもあるかもな安斎家、と思わせてくれました。
大事にしたいと思えるポストカードをいただいたのは随分久しぶり、
いや、これだけスペシャルなものは初めてかもしれません。

食事もとらずにずーっと描いていたけれど、
それでもずーっと楽しそうだったnatunatunaさん。

きっとこれからもたくさんの人の「いいとこどり」をして、
たくさんの人を幸せな気持ちにさせてくれることでしょう。

またお会いして、お礼を言いたいなぁ。

(夫記)
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子を持つまでまったく興味なかったのに、
子を持ったら感動で涙をこぼすまでになってしまったテレビ番組、
それが「はじめてのおつかい」です。

はじめてのおつかいという行為は、
達成した時に子どもが大きく大きく成長する、一つ高いハードルを越える
大事な大事な瞬間なのかなぁと思います。
子どもが生まれて以来、毎回楽しみにするようになった
本当に素敵な番組です。

さて、僕はあの感動をわが子でも味わいたいと常々思っていて、
ことあるごとに「多笑ちゃん、一人でおつかいできる?」
と聞いていたのですが、「できると思うよ」と言いつつも少し自信なさげで、
まだ早いのかなぁと思っていました。

しかし、多笑、3歳10ヶ月と20日。
たまたま勃発した、
僕「おつかいできるよ、多笑は!」
妻「今日は雨だし、もう薄暗いから危ないよ!」
という口論を聞いて、
「たえちゃん、おつかい行きたい」と言い出し、
ついに本日、降りそぼる雨の中、はじめてのおつかいをしました。

頼んだのは、ビール。
行き先は、わが家から200mほどの、
いつもお父ちゃんやお母ちゃんと行っているとみやさん。
銘柄がわかるようにメモを渡しました。

カッパを着て、肩掛けカバンに財布を入れ、

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ミッフィーの傘を持って出発です。
同時にお父ちゃんも物陰からカメラを持って出発です。

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無難にテクテク歩いて行きますが、
一番の難関は、結構クルマ通りの多い交差点。
事前に言い聞かせたとおり、
多笑は右を見て左を見て、また右を見て、
そこでクルマがやって来て、立ち止まり、
また右を見て左を見て、またクルマが来て。

3回ほど繰り返したところで、クルマの往来が途絶え、
無事、交差点を渡ることができました。

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とみやさんでは、ご主人がレジにいて、僕は窓の外から隠し撮り。
そのため、多笑がどのようなやり取りをしているのかわかりませんが、
ご主人はほどなくビールの冷蔵庫の方へ。
きっとメモを渡せたのでしょう。

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店から出てきた多笑は、お見送りしてくれたご主人と一緒に横断歩道を渡り、
帰路につきます。
肩掛けカバンにはちゃんと500mlのビールが入っている様子です。

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あとは、多笑に気付かれないように僕が先回りして自宅で待つのみ。
こそこそと小走りで家に戻り、家に着いた多笑を記念撮影。

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いやぁ、感動しましたよ。
こないだまでおっぱい飲んでいたような気がするのに、
一人でおつかいというミッションを遂行しました。

感想を聞いたところ、
「きんちょうしたけど、たのしかった」とのこと。
ちょっとした冒険を終えた多笑は充実した表情で
満面の笑みを見せたのでした。

(夫記)

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私たちが引っ越してきた2010年9月4日のこと。

引っ越しやさんの大型トラックをどこに止めてもらおうか困っていると
「うちの駐車場に止めたらいいや」と声をかけてくれたのが
お向かいの小沢さんでした。

どうやら小沢さんは体調を崩して入院し、しばらく家を空けていたらしく、
わが家の引っ越しの様子を見に来た近所の人たちが
小沢さんの姿を見つけては「どうしてたの」「どこ行ってただい」と
次々に声をかけていました。
それこそ通りがかる人、みんながみんな。

ちょっとした町内会の寄り合いのような輪ができて、
私はそこでご近所さんを紹介されたり、ゴミ出しルールを教わったり。
引っ越し初日から人情とやらに触れたようで、
「門前に来て良かったなあ」と思ったことを覚えています。

実は、わが家の下見に来た時から、私たち夫婦は
お向かいは空き家だと思い込んでいました。

古家の入り口には黄色いプラスチック製の鎖が渡され、
その敷地内にはなぜかバスタブや室内物干や、いろんなものが雨ざらしになり、
トタン板や材木や鉄パイプが無数に散らかり、
玄関先には「防犯カメラ設置」の札。
そんなつっこみどころ満載の光景が広がっていたからです。

小沢さんは入院をきっかけに老人福祉施設のようなところに入居したらしく、
ご自宅に帰ってくるのは日中のみ。
送迎のクルマで帰ってくれば、駐車場の草取りをしたり、
片付けをしたり(一向に片付く気配はないのですが)、
家にじっとしていることはほとんどありません。

わが家のウッドデッキや湯福神社前の石段がお気に入りで、
腰掛けて往来をながめながら、歌を歌ったり、道行く人に声をかけたり。
社交的な人なので、知り合いが多い。
知り合いでない人にも「どこ行くだい」と声をかけています。

オープンマインドな小沢さんは、社会の窓もたびたび全開で、
そんな時も女子高生に「おかえり」と気さくに声をかけるので
私たち夫婦をハラハラさせます。

ある日、家の中からお菓子の袋を捜し出してきて
「子どもらに」とくださったことがあります。
口から無数のアリが這い出てきて、ぎょっとしつつ、
恐る恐る袋を開くと、中にあったのはトチの実でした。
二カッと笑って、自分のリンゴ畑へ行く途中に
トチノキがあることを教えてくれました。

とにかく愛嬌のある人なので、
顔を合わせるたびに言葉を交わし、
小沢さんのこと、この辺りのことを少しずつ教えてもらっています。

小沢さんは生まれた時からこの街に暮らしていて、
たぶんおじいさんの代からここにいて、
子どもの頃、小沢さんちは駄菓子やさんだったこと。

当時、桜枝町から湯福神社へ至る道沿いは
びっしりと商店が建ち並び、それは賑やかだったこと。

戦前、わが家は布団の綿屋だったこと。
戦時中は長野高等女学校(現在の西高)に軍が駐留し、
中佐だか偉い人がわが家に住んでいたこと。

昔はあちこちに井戸があって、
各戸に水道が敷設されてからほとんどふさがれてしまったけど、水はまだ湧くこと。
「お宅の裏にもあったよ」と場所を教えてくれました。

小沢さんの奥さんはどこかの施設に入居されていて、
よそに住んでいる息子さんと、名古屋にいる娘さんは、
もうずいぶん長いこと帰ってきていないそうです。

わが家のクルマは名古屋ナンバーなのですが
通りかかると呆然としたような、なんともいえない表情を浮かべます。
クルマに乗っていたのが私だとわかると、
「ああ、どちらさんかと思った。娘が名古屋にいるもんでね」
と、言います。毎回のように。


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今日は直太朗も一緒に、小沢さんと落ち葉をはいて、草取りをしました。

私の実家に預かってもらうことが多い直太朗は、
ケアマネをしている母に連れられて
毎週のように老人ホームへ慰問に行くので、
おじいちゃんやおばあちゃんが大好き。
小沢さんのことも「じーちゃん」と呼び、随分なついていました。

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あ、防犯カメラはホントにあるそうです。
駐車場の無断駐車を監視するために設置したそうな。


(妻記)


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昨日、多笑の七五三のお祝いをしました。

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多笑の着物は、夫の母からいただいたもの。
義母は結婚の際に、仲人さんからいただいたそうです。
夫は弟とふたり兄弟なので、仲人さんの娘さんが袖を通したあと、
この着物は着られる機会がないまま、大切にしまわれていたのです。

本来、3歳の女の子は、帯を結ばずに被布(ひふ)という
ベストのようなものを羽織るのですが、
着物を生かして、手持ちの半幅帯を合わせました。
やや小さめの着物も、つい丈ならぴったり。
こちらも手持ちの組紐を帯締め代わりにして、なんとか格好がつきました。

家からすぐそこの湯福神社へお参りしただけだったのですが、
近所の方や通りがかりの方に「おめでとう」の声をかけていただき、
多笑はうれしそうにはずかしそうに「楽しい...」とつぶやいていました。

湯福さんのお向かい、洗濯屋ケンちゃんと。

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大家さんにもごあいさつ。

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善光寺さんへもお参りする予定だったのですが、
多笑が「疲れた...」というので、早々に家へ帰りました。

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昨年から楽しみにしていて、前日にはシンデレラを読んで
「明日は日本のおひめさまになる」と張り切っていたのに、
家に帰るやいやな帯を解き、あっという間に七五三は終了。

着物はお正月にもう一度着て、
次は私の孫の代まで大切にしまっておこうと思います。

(妻記)
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「10月に入ったら座布団を持ってきてください」
娘の幼稚園からそう言われていたのに、忙しがってて用意できず、
10月も半ばになってから「さて、どうしよう」。

幼稚園のイスに合う、小さめサイズの座布団、
カバーは縫えるとしても、中身はどうしたら良いのだ?

そこで思い出したのが箱山さんの顔。
通称、しょうちゃん。
西之門町で代々営む「箱山ふとん店」の4代目です。

FaceBookを通じて箱山さんに質問してみました。
「30センチ角くらいの小さめの座布団はありますか?」
すると「カバーにゴム付きで作りますよ!」とのお返事。
わーい!
早速、多笑と一緒にお店へ行って、生地を選んできました。

座布団ができ上がるまでの1週間ほど。
散歩やクルマで箱山ふとん店のそばを通ると、
多笑が「あっちが箱山さんのお店だよね」と言うようになりました。

自分の座布団を作ってくれている人の顔とお店と街が、
多笑の中でつながったようです。

そして昨晩のこと。
箱山さんができたてふっかふかの座布団を、わが家に届けてくれました!

多笑が選んだ生地は赤ずきんちゃん柄。

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そして、はにかみつつもうれしそうな笑顔。

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中身の座布団は職人さんの手作り、
カバーは箱山さんのお母さんが縫ってくださったのだとか。

いろんな意味であったかい座布団が、
多笑のお尻をぬくぬくと包んでくれるでしょう。

(妻記)


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安斎家のフツウな門前生活

子連れで門前に引越してきた一家の暮らしぶりを徒然なるままに綴ります。
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