同じ不動産の仕事をしている人の話。
「今までにいろんな所に引越をしました。」
「今ようやく居心地のいい場所をみつけて、住んでいます。」
「あっ、一緒」という感覚。
で、履歴書ならぬ、移住履歴書をつくってみました。
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0歳~18歳 長野市 実家で、小・中・高校生活。
18歳~19歳 江東区 学生寮で、浪人生活。
19歳~20歳 平塚 アパートで、大学一人暮らし。
20歳~21歳 辻堂 コーポラティブハウスで、波乗り暮らし。
21歳~24歳 茅ヶ崎 1軒家で、シェアハウス暮らし。
24歳~24歳 オーストラリア キャラバンパークで、サーフトリップ。
25歳~25歳 奄美大島 海の家で、半自給島暮らし。
25歳~26歳 藤沢 駅前マンションで、都市計画会社勤務。
27歳~29歳 伊豆河津町 地域移住で、リゾート運営事業。
29歳~30歳 藤沢 駅前マンションで、不動産会社勤務。
31歳~36歳 長野 社宅で、工務店労働。
37歳~現在 長野 元倉庫をリノベして、子育てと自営業。
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つくってみると、結構楽しいですね。
「自分もいろいろやってきたなと」思い出したりします。
履歴書なんかより、よっぽどその人の人となりが伝わるんじゃないでしょうか。
「誰と、いつまで住むか」。
門前暮らしのすすめで物件相談をする時も、
無意識に先ず聞いていると思います。
おもしろい空き家が、今日も見つかる。
その空き家を、またおもしろくリノベできる。
その数分だけ、人の事をいろいろ見ることができて楽しいです。
(次回は、「MYROOM的、働きかた」について)
「MYROOM的」、門前暮らしのすすめ。
どこに住むのか?で、住まい探しは違うはず。
住まいを新しく探すのは、通常、進学や就職が決まったタイミングということが多い。
「大学に進学するから、安いアパートを近くで探そう」とか、
「就職が決まったから、最寄りの沿線に引っ越そう」といった感じである。
どこに通うかが、住まいを選ぶうえでのポイントになる。
家では寝るだけで、便利で手のかからない部屋が好まれる。
一方、必ずしも一般的な進路を辿ってはいない人達は、
これとは、また違ったタイミングで住まいを探したりする。
「自分でアトリエを開きたいから、一緒に住まいも探す」とか、
「この街で子育てをしたいから、どこか住める場所見つける」とか。
所属先や職業ということより先ず、「暮らすこと」自体が目的となっている。
おのずと、周りの建物や住んでいる人が気になってくる。
自由に使えるとか、間取りがおもしろいことに人気がある。
住まい選びでの、この二つ。
選ぶのは人それぞれなので、どちらも好みだと言えばそれまでである。
ところがこれが、仲介する側にとっては全く違うのである。
どちらも「部屋」として比べると、その違いはわからない。
家賃や広さといった情報では、周りの街や暮らしぶりが見えてこない。
まして、人付き合いなんかは実際に住んでみないとわからない。
「こんな住まいがおすすめですよ」と言えるのは、
よっぽど街を知っているか人か、よっぽどのお人好しである。
長野・門前暮らしのすすめでは、担当者おすすめの住まいを紹介しています。
手間ひまかけ、おもしろい物件を、本人に代わって探しています。
本当は自分で住んじゃいたい物件ばかりです。
そんな建物なので、こんな人達にこんな暮らしをしてもらえたらと、
妄想したりしています。
(次回は、「誰と住むのか?」について)
行政や団体組合さんと空き家の活用について話をする機会がありました。
空き店舗を使ってイベントをしようとか、みんなで協力してまた元気なまちにしてい こうといった内容で活動していくとの事でした。
地元で自分も関わりがあるので何とか協力したいと思って話を聞いていました。
ただ、そこで話を聞いているとどうも自分とは立ち位置が違う気がしてモヤモヤして いました。
何もせず壊されたり荒らされるよりはまだいいのかなと良いほうに捉えようとしまし たが、それでもしっくりきませんでした。
そこで今回はそこで感じたことを書いてみたいと思います。
そもそも空き家の活用には「空き家」と「空き家の新しい利用者」が必要です。
その両方をサポートしうまくマッチングさせていくのが空き家のリノベーションだと 思います。
じゃあ、どちらからやればいいのかと考え先ずは「空き家」を紹介していこうという のが先の団体のような活動だと思います。
ただ、ここでいう「空き家を使わせて下さい」という活動には第3者の思惑のほうが 先にきている気がします。
イベントやまちづくりに関わる人達の事は考えられていますが、「大家さん」や「テ ナント」さんの事は真剣に考えられていないと思います。
これではみんなが継続してはついてこれないと思います。
どうも、行政や団体が空き家を仕入れたり大家さんと交渉をするのには無理があるの だと思います。
大きな商店でも店を閉めたところでまた新たに商売を始めようというのにはそもそも 無理があります。
更には老朽化した建物を直して使おうとなるとお金もかかり建築の知識もいります。
そんな「空き家」を新しい利用者に紹介しますよと言ってみても大家さんは簡単には 信じてくれません。
また今は「空いてしまった建物」でも大家さんにとっては歴史的にも資産的にもとて も意味があるものです。
「どうせ空いているから自由に使わせて」といった認識では、全く大家さんの気持ち に立っていないと思います。
軽いノリで扱うにはリスクと責任があり、どんな人がどう使うかもきちんと説明しな ければいけません。
ここはやはり、資格のある宅建業者さんが大家さんと利害を一つひとつ調整していか ないと進まないと思います。
そこで考えるのは、だったらもうひとつのポイント「新しい利用者」をもっと積極的 に集めたらいいのではないかという事です。
「空き家」の紹介はそもそも専門業者に任せ、積極的に支援や補助をしつつ監視もし ていけばいいのではないでしょうか。
それよりも地元の有志が力を発揮できるのは、テナントを募集して受入れ自立してい く手助けをしてあげることだと思います。
街並みや建物を一緒に歩いて歴史や文化を伝え、そこで暮らしている人達との顔をつ ないであげること。
空き家を使っての新しい仕事や新しいライフスタイルにチャレンジできる環境を用意 してあげること。
この場所での暮らしを長く続けていけるよう、いっぱい楽しみを用意してあげるこ と。
そうしたことで「新しい利用者」が集まりその人達の顔が見えニーズが聞ければ、空 き家の紹介も具体的にしやすくなると思います。
例えば「○○さん向け入居説明会」なんてのはどうでしょうか?
このまちでは空き家をリノベーションして新しい仕事や新しい暮らしをすることがで きます。来てみませんか!
「ソーシャルベンチャーさん」...ソーシャルベンチャー、コミュニティーマネジメン トを考えている方。
「シェアスタイルさん」...シェアハウス、ソーシャルアパートメントスタイルを考え ている方。
「デュアルハウススタイルさん」...二拠点、季節移住・住みかえを希望している方。
「オルタナティブハウススタイルさん」...エコ、ロハス、サステナブルな住居と暮ら しを考えている方。
「レジデンススタイルさん」...旅、滞在、活動、また旅を考えている方。
「フリー、バックパッカーさん」...移住生活を考えている方。
「インターンさん」...仕事体験、生活体験を考えている方。
「ベンチャーさん」...新しい暮らし方をしている人向けの仕事、お店を考えている 方。
「儲かるのか」と言われると「ぼちぼちでんな」といったところかと思います。
手間がかかりリスクもあるわりに金額は安いところがあります。
目に見えるものは空き家なので、あまり多くの対価をもらいにくいところはあります。
ただ「マーケットがあるのか」というふうに解釈すると「大いにありまっせ」
と言えます。先日国交省から発表された「中古住宅トータルリフォームプラン」でも
紹介されています。
http://www.mlit.go.jp/common/000205676.pdf
国は住宅ストックの活用に大きく舵を切ってきています。
そこで考えてるのは、もっともっと空き家物件を紹介したらいいんじゃないか
という事です。多くの人が既存ストックに関心を持てば、話題にもなるし
良い悪いの評価もでててくると思います。リノベーションを仕事にする
人達が増えれば、これをサポートするサービスも出てくると思います。
こうして集まった人達が少しずつ力を出し合えば、結構いい経済が
回るんじゃないかと思います。そんな実感が持てる瞬間もたまにあったり
しています。という事で、自分が儲かる状況になる事を思い描きつつ今は
物件を紹介しています。