行政や団体組合さんと空き家の活用について話をする機会がありました。
空き店舗を使ってイベントをしようとか、みんなで協力してまた元気なまちにしてい こうといった内容で活動していくとの事でした。
地元で自分も関わりがあるので何とか協力したいと思って話を聞いていました。
ただ、そこで話を聞いているとどうも自分とは立ち位置が違う気がしてモヤモヤして いました。
何もせず壊されたり荒らされるよりはまだいいのかなと良いほうに捉えようとしまし たが、それでもしっくりきませんでした。
そこで今回はそこで感じたことを書いてみたいと思います。
そもそも空き家の活用には「空き家」と「空き家の新しい利用者」が必要です。
その両方をサポートしうまくマッチングさせていくのが空き家のリノベーションだと 思います。
じゃあ、どちらからやればいいのかと考え先ずは「空き家」を紹介していこうという のが先の団体のような活動だと思います。
ただ、ここでいう「空き家を使わせて下さい」という活動には第3者の思惑のほうが 先にきている気がします。
イベントやまちづくりに関わる人達の事は考えられていますが、「大家さん」や「テ ナント」さんの事は真剣に考えられていないと思います。
これではみんなが継続してはついてこれないと思います。
どうも、行政や団体が空き家を仕入れたり大家さんと交渉をするのには無理があるの だと思います。
大きな商店でも店を閉めたところでまた新たに商売を始めようというのにはそもそも 無理があります。
更には老朽化した建物を直して使おうとなるとお金もかかり建築の知識もいります。
そんな「空き家」を新しい利用者に紹介しますよと言ってみても大家さんは簡単には 信じてくれません。
また今は「空いてしまった建物」でも大家さんにとっては歴史的にも資産的にもとて も意味があるものです。
「どうせ空いているから自由に使わせて」といった認識では、全く大家さんの気持ち に立っていないと思います。
軽いノリで扱うにはリスクと責任があり、どんな人がどう使うかもきちんと説明しな ければいけません。
ここはやはり、資格のある宅建業者さんが大家さんと利害を一つひとつ調整していか ないと進まないと思います。
そこで考えるのは、だったらもうひとつのポイント「新しい利用者」をもっと積極的 に集めたらいいのではないかという事です。
「空き家」の紹介はそもそも専門業者に任せ、積極的に支援や補助をしつつ監視もし ていけばいいのではないでしょうか。
それよりも地元の有志が力を発揮できるのは、テナントを募集して受入れ自立してい く手助けをしてあげることだと思います。
街並みや建物を一緒に歩いて歴史や文化を伝え、そこで暮らしている人達との顔をつ ないであげること。
空き家を使っての新しい仕事や新しいライフスタイルにチャレンジできる環境を用意 してあげること。
この場所での暮らしを長く続けていけるよう、いっぱい楽しみを用意してあげるこ と。
そうしたことで「新しい利用者」が集まりその人達の顔が見えニーズが聞ければ、空 き家の紹介も具体的にしやすくなると思います。
例えば「○○さん向け入居説明会」なんてのはどうでしょうか?
このまちでは空き家をリノベーションして新しい仕事や新しい暮らしをすることがで きます。来てみませんか!
「ソーシャルベンチャーさん」...ソーシャルベンチャー、コミュニティーマネジメン トを考えている方。
「シェアスタイルさん」...シェアハウス、ソーシャルアパートメントスタイルを考え ている方。
「デュアルハウススタイルさん」...二拠点、季節移住・住みかえを希望している方。
「オルタナティブハウススタイルさん」...エコ、ロハス、サステナブルな住居と暮ら しを考えている方。
「レジデンススタイルさん」...旅、滞在、活動、また旅を考えている方。
「フリー、バックパッカーさん」...移住生活を考えている方。
「インターンさん」...仕事体験、生活体験を考えている方。
「ベンチャーさん」...新しい暮らし方をしている人向けの仕事、お店を考えている 方。