長野・門前暮らしのすすめ

門前暮らし日記

084 門前周辺の地名の謎~3つもある本郷~

 1月1日時点の公示地価が発表されました。
 長野県で最も住宅地で価格が高かったのは、今年も
「長野市大字南長野字本郷207-1」でした。南長野本郷と言われても、なかなかピンとくる人はいませんよね。一般には、ここは妻科と言われています。妻科神社近所やその西側が本郷で、有名なお店では味噌の「井上醸造」も本郷にあります。
 本郷(ほんごう)とは、江戸時代の村にはよくあった地名です。村の中でも中心地で、古くから開けた地だったのでしょう。
 「大字西長野字本郷」(西長野本郷)という地名もあります。桜枝町の通りを西(新諏訪方面)に向かって、西長野に入ると、道路の右側(北側)の山手にかけてが本郷です。ここには、浄土宗西光寺があります。
 そして、本郷で一番多くの人になじみがあるのは、三輪にある長野電鉄の本郷駅ではないでしょうか。三輪では住居表示が行われ、三輪~丁目となったため、地図の上からもともとあった本郷という地名はなくなっていますが、現在でも、住民の生活単位として本郷地区は存在しています。
 このように、善光寺門前周辺には3か所も別々の本郷があります。
 ところで、本郷といえば、同じ長野県内でもJR飯田線に伊那本郷駅があります。伊那が付くからには後からできたのかと思いきや、調べてみると長野電鉄本郷駅の方が若干後でした。
 伊那本郷駅(伊那電車軌道) 1918年(大正7年)開業
 本郷駅(長野電気鉄道)    1926年(大正15年)開業
 先に伊那本郷が本郷駅としていたなら、同じ県内ですので、長野電気鉄道(長野電鉄)はただの本郷という駅名にならなかったかもしれません。