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娘と一緒に、クリスマスツリーを飾りました。

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「クリスマスにはサンタさんからプレゼントをもらえるんだよ。
何が欲しい?」とたずねると、「タオル」という答え。
夫としばし見つめ合い、大笑い。安上がりな子だなあ。

それでも親としては、もう少しプレゼントっぽい答えを引き出したい。
今日改めて「クリスマスには何が欲しいの?」とたずねると、
「こないだちゃー、ちゃんたちゃん(サンタさん)にはタオルもらうって
言ったでちょー」と怒られました。

母「でもさあ、タオルならうちにいっぱいあるよ。
  絵本とか、おもちゃとか、いらないの?」
娘「いらなーい」
母「タオルで何するの?」
娘「あのね、よぼれたちぇっとをふくの」
母「ん? 汚れたセットを拭くの?」
娘「ん、ちょう(うん、そう)」
母「セットって、なんのセット?」
娘「わかるでちょー」
母「わかんないよー」
娘「おかあちゃんはあかちゃんじゃないんだから、
  わかんないって、いーわーなーいーの!」
母「...」

というわけでお父ちゃん。
多笑は謎の「ちぇっと」を拭くタオルが欲しいそうです。

お風呂から上がるのをこばみ、延々遊んでいるなあと風呂場をのぞくと、
目地洗い用のブラシで、黙々とタイルをこすっているような子ですからね。


(妻記)


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空き箱を顔に当てて「ぼく、ロボットのカルタンでちゅ」と名乗る娘のため、
目の部分をくりぬき、輪ゴムをつけてかぶれるようにしてあげた。
確かに普段から、こんなもので喜んで遊んでるもんなあ。

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「Book & Cafe ひふみよ」の無人直売所がオープンしました。
場所は善光寺下駅から善光寺へ向かう途中、
ひふみよへ曲がる角にある旧「シンカイ金物店」の軒先。
値段もなんと100円均一です。

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無人直売所というのは、人間の良心を前提に成り立っています。
売り物が盗まれるリスク、売上金を盗まれるリスク、
それらを差し引いても、マイナスにはなるまい、
という性善説が根っこにあるからこそできる業態です。
ある意味、日本の美しい風景の一つだと思います。
日本以外の国で見たことはありませんし、
ある国の人は、日本の自動販売機ですら
「金庫が落ちているようとしか思えない」と言っていました。

僕が育ったのは福島市のはずれの方でした。
果樹園に囲まれ、無人直売所は当たり前のように点在していました。

いたずら盛りの小学生高学年の頃、
一度だけ、下校途中に鯉の甘露煮を無人直売所から頂戴したことがありました。
どんな味がするかどうしても確かめてみたかったのです。

味は覚えていません。
半分も食べなかったと思うので、あまり美味しくなかったんだと思います。
しかし、良心の呵責にだいぶ悩まされました。
そして、何週間かした後、なけなしのお小遣いを料金箱に入れたのを覚えています。

ひふみよの店主、今井さんも性善説で成り立っている地域で育ったんだろうな。

それなりに時間が経過した後、今井さんに
「万引き率」と売上箱が無事かどうかを聞いてみようと思っています。
僕らの住む街は性善説で語るべきなのか、性悪説で語るべきなのか、
バロメーターになるのではないかと思うのです。

(夫記)
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本日11月24日、35歳になりました。
Facebookやメールで祝福していただいた皆様、ありがとうございます。

わが家は、夕方近くまで小谷村に行っていた都合上、
ワインとロウソク(非常用)と、多笑の歌で
ささやかなお祝いとなりました。
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35歳って大きな境い目のような気がするのは僕だけでしょうか。
健康に過ごせる年数、人生70年。
その折り返し地点というべき、とても重要なターニングポイントである気がするのです。

若かりし頃、どんな35歳になっていると想い描いていたか。

まず、10歳以上、歳下の嫁をもらっている予定でした。
(実際は3歳年上の姉さん女房)

誰も気付かなかったニッチなマーケットを見いだし、
起業して5年、商売も軌道に乗っている予定でした。
(実際は未だ、しがないサラリーマン)

実は行き当たりばったりの人生を望んでいて、
人生設計など立てたことがないのですが、
上記2項目だけが、なんとなく理想としていた将来像でした。

どちらも叶っていないけれど、
ロウソクの前で、娘の「ハッピバーツデ ツーユー」を聞いていたら、
これでよかったのだと思えた、35年目の夜でした。

(夫記)
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家族と友人たち十数人で小谷村に行ってきました。
楽しいと思ったことはたくさんありましたが、
僕は時系列で綴った紀行文というものを面白いと思わない人間なので、
クライマックスを先にお伝えします。

小谷村には世界一のそば屋がありました。
日本一のそば屋なら、世界一です。
僕は福島と長野と京都と東京と大阪と名古屋のそば屋しか知りませんが、
でも自信を持って世界一に推薦します。

門前にもおいしいそば屋は多数あります。
しかし、友人が遊びに来たとして、連れて行くとしたら僕は迷います。
戸隠や市内各所も含めればさらに迷います。

友人を連れて行きたい飲食店の要素を大きく分ければ
1.味
2.雰囲気(店員さんのホスピタリティ、清潔さ、BGMなど)
3.そこにしかない話題性

全てが満点の飲食店はなかなかないものです。
その全てが小谷村の「そばや 蛍」にはありました。
最高級のレベルで。

まず味。
文句なしです。
香り、歯触り、麺のこし、のどごし、つゆのだし、量、言うことなしです。
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そして雰囲気。
ランプの光、囲炉裏にくべた鍋、窓から見える田園風景。
改装された古民家が、まるで初めから食事を供するために建てられたような自然さ。
しかも、改装は店主自らが施工したとのこと。
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そして、蕎麦を打つところから、
かまどで茹でて、冷水で締めるところまでが見られる厨房。
打つところを見せるそば屋は数あれど、全ての流れが見られるそば屋、僕は初めてです。
行列に並んででも見せたいこの光景。

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完璧です。
僕はこのそば屋のために「わざわざ」長野市から一時間以上かけて
小谷村に友人を連れて行けます。

あっぱれ!!
しかし残念ながら、このお店は本日の営業を最後に冬期休業に入りました。
再開は四月下旬の予定です。
(このタイミングで書くな、という内容ですよね。
 それは分かっています。でも本当に感動したので)


さて、旅の概要を。

僕らは古民家を改装した「梢乃雪」に宿泊しました。
外装はこんな感じ。
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大広間で鍋パーティ。
地元の人たちも加わってなかなか賑やかでした。
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そして、鍋を仕切るのは、われらが「こまつや」の廣政シェフ。
休日、そして体調不良にもかかわらず、買い出しも含めて準備をしていただきました。
さすが。美味しかった。
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実は鍋の材料のうち、野菜の大半は地元の畑でその日に収穫していただいたものです。
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早朝はツアコンの太田氏、そして宿の飼い犬「アイちゃん」とお散歩(宿の人に無断で)。
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この後、皆で有形登録文化財の山田旅館へ行き、温泉もいただきました。
山田旅館も趣があってよかったなぁ(カメラ持っていくの忘れました)。

小谷村はホンモノの田舎が味わえます。



そばや 蛍
北安曇郡小谷村中土真木16588
0261−85−1810

北安曇郡小谷村中土12965-1


(夫記)


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わが家から徒歩数分のところに、清水隆史さんとゆかりちゃん夫妻のお住まいがあります。
クルマの通れぬ小路沿い、道に向かって明らかに傾いたその家は、
佇まいもただならぬ雰囲気。

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数年前、まだ独り者だった清水さんから「引っ越しました」と聞いた時、
「清水さんがとうとう家を持った」と感慨ひとしきり(借家だけど)。
(だってそれ以前は確かネオンホールに住んでましたよね?)

「結婚でもするの?」との質問に、
「しません! 僕はこの街と結婚したようなものですから」と答えていた清水さんが、
まさかその家にゆかりちゃんという妻を迎え入れ、
まさかこの私が結婚して同じ町内で門前暮しをスタートさせるとは、
その頃には思いもよりませんでした。

ずーっと遊びに行ってみたかったその清水家に、先日ようやくお邪魔してきました。
(というのが先月あたまのこと。訪問してからずいぶん経ってしまいました...)

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とはいえ清水さんはバンドマンとして忙しい日々。
(この夏、清水さんはOGRE YOU ASSHOLEというバンドのベーシストとして
メジャーデビューし、日本全国をツアーで駆け巡っていました。
そのへんのことはch.books発行のフリーペーパー「チャンネル vol.3」に
詳しく載っています)
清水さんを待ってたらいつになるかわかんないよ、と
勝手にゆかりちゃんに約束を取り付けたのです。

そのお住まい以上に、私はゆかりちゃんという人に興味津々。
以前からお話してみたくてたまりませんでした。

私にとってゆかりちゃんは、劇団カフェシアターの女優さんとして舞台に立つ
妖艶な姿が印象的すぎて、なんだか近寄り難い人。
でも普段は本気で小学生と間違われるような、あどけない人でもあります。
(中学生に「あなた、いくつ?」と聞かれたとか、真偽不明の逸話多数。
うちの夫は西の門市で、お手伝いをしている小学生がいるなあと感心していた)

その外見からか、それとも保育士という仕事柄か、
多笑も直太朗もあっという間にゆかりちゃんになついていました。

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さて清水さんち。
古い大きな一軒家を改装して、3世帯が入れるようにした不思議な造り。
通りに面した1階と、2階のひと部屋が清水家です。
2階のもうひと部屋は、なんと隣の世帯のもの(幸いなことに空家ですが)。
外観からはどこが世帯の境目なのか、よくわかりません。

戦前の建物は、建具とか柱とか、やっぱり味わい深い。
置かれた家具も、同じくらい古そう。
大きなスピーカーから微かに音楽が流れ、ゼンマイ式の時計がコチコチと時を刻む。
戸棚に置かれた古い腕時計やカメラ、棚の上に積まれたプラモデル、
あちこちにかけられた帽子やバイクのメットが、不在の主の存在を静かに伝えます。

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そうした中に、ゆかりちゃんの本や雑貨、彼女が漬けた果実酒の瓶が、
静かに共存しています。

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こつこつと好きなものを築いてきて、今の清水さんがあるのだなあと、しみじみ思う。

大人になるのは、いろいろあきらめることでもあると思っていたけど、
清水さんはきっと何もあきらめてないんだ。
やっぱり、好きを貫くことは、すごいことだ。

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まるで骨董店のような密度の濃い空間から戻ると、わが家がなんだか味気ない。
この家自体は清水さんちと同じくらいの古さなのに。
合板の家具は、物語をはらみようがない。

わが家もこれから少しずつ、年月を重ねるごとに味わいを増し、
この家に溶け込んでいくような家財を揃えていこうと、夫と話したのでした。

(妻記、夫写)


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