18日、桜枝町にある「アーティスト イン レジデンス善光寺界隈」に滞在しながら
作品制作をしているイタリア人アーティスト、ロレンツィオ・チアンキさんの
アートワークショップに参加してきました。
中央がロレンツィオさん。左は、信大美術科の木村先生。
テーマは「家のない家」。......家のない家ってどういうこと?!
一体何をするのか全然想像もつかず、どきどきしながらワークショップはスタート。
前半はこんなことをしました。
1)「家」と言われてイメージするものを描く
2)自分の住んでいる家を正確に描く
3)自分の住んでいる家の間取りを描く。
4)書いた部屋の中にある家具を、各部屋3つずつ箇条書きにする。
5)4で書いた家具を、各部屋ひとつずつ選んで、お引っ越しをする。
ただし引っ越しは一回しか出来ない。そしてバスや車などを使ってはいけない。
自分だったらどういう風に荷物を梱包して、どんな引っ越しをするかを、絵にする。
(↑写真は、掛け軸と花瓶とピアノ...という、引っ越したところで
なんの生活も始められなそうな3点を、人力で運ぼうとしている井原の絵)
気球で運ぶ、リヤカーに積む...などいろんな人が居ました。
これらの工程が、悩んでる暇を与えられないくらいぽんぽんと進んでいったので
夢中というか、必死になって絵を描いたり考えたりしました。
後半は、前半でやったワークショップから派生して、
自分の暮らしにとって、本当に必要なものって何か?を考えながら
「自分たちの住みたい理想の家」を共同制作する...という予定でしたが
家がないってどういうことだろう?それについてどう思うか?から
ジプシーと、騎馬民族と、農耕民族の違いなんて話になり...
ロレンツィオさんが、
「みなさんにとって日本人であるということの
アイデンティティの源ってなんですか?」
と、参加者に質問し、それについて話していたら終わってしまいました。
わたしは、「日本人としてのアイデンティティ」と言われても
本当にピンと来なくて、しどろもどろしておりました。
イタリア出身のロレンツィオさんと、一緒に来長したデニーズさんは
イタリアという土地は、陸続きで他国とつながっているし、歴史的経緯からも
自分たちのアイデンティティということについてよく考える機会があります。
自分は何者なんだろうと、突きつけられる瞬間がたくさんある、と言っていました...。
参加者がこのワークショップで書いた「家」の絵は
8月24日から花蔵ではじまる、ロレンツィオさんの個展でも飾られるそうです。
私たちの絵にビニールひもをつけて、扇風機の吹き流しにするんだとか...(!)
どんな展示になるのか楽しみです。
(羽八夏記)