幼子がいると、なかなか外食ができないものです。座敷があって、子どもが食べられるメニューがあって、そして、子どもが騒いでもそれを許容してくれる大らかな雰囲気。なおかつ、大人も食べたくなる味。
その「しまや食堂」が年内で営業を終了します。あのやさしい味のラーメンがもう食べられなくなると聞いて、今日は家族で食べに行ってきました。おばさんは今日もニコニコ、何も言わなくても小皿を持って来てくれました。今日も肉丼とラーメン。帰り際、「お店、閉めちゃうんですか?」と尋ねたら「ごめんなさいねぇ」とちょっと困ったような笑顔を見せました。お店の歴史などを取材しようと思っていた僕は、静かに幕を閉じようとしている、もともと寡黙な店主と奥さんに質問をするのが憚られて、「いつもおいしかったです」とだけ伝えて、店を後にしました。寂しいけれど、もう結構なお年ですもんね。今までお疲れ様でした。(夫記)