長野・門前暮らしのすすめ

門前暮らし日記

069 営業中の銭湯(2)アルプス温泉

 明けましておめでとうございます。
 今年も新田町の「アルプス温泉」は、例年通り今日(3日)から営業を始めました。
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 アルプス温泉は、創業は江戸末期の1860年頃と伝えられています(参照:『長野銀座いま・むかし』2000年発行)。最初は、「忠兵衛のお湯」と呼ばれ、昭和の初めには「アルプスの湯」に名称を変更しました。戦後、アルプス温泉となり、昭和35年には休憩室付きで宴会もできる長野初の「ヘルスセンター」となって、親しまれてきました。昭和33年の地図には、すでにアルプス温泉と載っています。
 以前のご主人の北沢眞佐志さんは、長野市議会議長を2回も務め、昭和41年には長野市と篠ノ井市など周辺市町村の大合併に尽力。全国の浴場組合の役員としても活躍されていました。
 現在の建物は昭和57年(1982)に建て替えられたもので、南側にマンション「アルプスハイツ」が併設されています。南側にまわってみると、お地蔵さまが大事におまつりされています。
 それにしても、銭湯にアルプスとは、かなりしゃれたネーミングです。銭湯なのに温泉というのも不思議です。
 私は、善光寺の近くに大きな温泉地がなかったことから、温泉というネーミングでも違和感がなかったのだと推測しています。松本市でも上田市でも、市の中心部には温泉という名称の銭湯はありません。松本市といえば浅間温泉、上田市といえば別所温泉など本物の温泉地が近くにありますので、温泉という名の銭湯は紛らわしいので、できなかったのでしょう。
 アルプスも、有名温泉地も、昔の善光寺界隈の人は簡単には行けなかったからこそ、憧れを誘う名称だったはずです。