長野・門前暮らしのすすめ

門前暮らし日記

中秋の名月が過ぎた頃に

秋の訪れが日に日に感じられるようになりましたね。このブログが設立された頃はタオルケットで寝ていましたが、初めて更新する今は羽毛布団になりました。更新遅れて申し訳ありません。こんにちわ。team HACILAの田村です。さて、team HACILAは現在、箱山布団店の4代目と一緒に、空き家探しを行っています。また、去年の8月から花岡本店の土蔵「花蔵」の改修にとりかかり、その前は、「豆蔵」の改修を行って御開帳中にお店を開いたりしました。こんなことをやっていると、team HACILAの人たちは、「古い建物がめっちゃ好き!」「古い建物が最高なのだ!」と思っていると捉えられがちなんですが、田村個人としては、「おれは古い建物が好きなんだ!」と自覚した事はありません。雑誌できらびやかに紹介されているような新建築にも好きなものはあるし、建築を志したきっかけは、直島の地中美術館がかっこよかったからです。でもまあ、結局は、建築史の世界に身を置いているわけですが。要するに、田村はどこかに「グッとくる」ものがある建物が好きです。その割合で言えば、古い建物の方が圧倒的多いのだと思います。「ぉうっ…!」というあの感じ。息をのむと言えばいいのでしょうか。「○○の○○が□□だから、××という理由で素晴らしい。」ってのは後付けであって、その前の感覚は、決して言葉では表現できません。空き家の中にも、「ぉうっ…!」というものがいくつかあったりします。それは、ハウスメーカーの家ではまずあり得ない感覚。そこで「暮らす」という妄想を、時に温かく、時に突き放すように建物たちが黙って教えてくれます。建物と「会話する」感覚が、古い建物の方が、圧倒的に多いような気もします。なんとなく建物と目が合うというか…そういった建物の多くは、自分が日本人であると実感できる事が多いですね。中秋の名月を生まれてはじめて意識し始めた今日この頃、自分にも日本人らしい繊細な感覚が少しでも宿り始めたかなと思いました。