長野・門前暮らしのすすめ

門前暮らし日記

052 お供えの卵

 南の門前の、かるかや山西光寺(北石堂町)境内入口にある「へび塚(大蛇の墓)」は、昔から厚い信仰を集める場所です。
 お参りに行くと、卵がお供えされてありました。

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 どなたが、お供えされたのでしょう? この日はビニール袋に入って2個、鶏の卵がお供えされていました。蛇に卵を供えるのは、全国各地にある習慣です。
 お線香の薫りも漂い、とても神聖です。
 鶉(うずら)の卵がパックでお供えされていた日もあります。
 門前町の入り口で、江戸時代、大蛇を見せ物にしたところ、その祟りがあり、その祟りを鎮めるために、この墓はつくられました。
 大蛇は、旭山にいたと伝わります。旭山は門前からよく見える山で、門前暮らしをしていると毎日見る山ですが、門前から見て朝日がよく当たることから、この名が付いたのでしょう。
 江戸時代の旭山は、善光寺の「お花山(おはなやま)」と言われ、善光寺の持ち物でした。だとすると、蛇も善光寺さん(生きた仏様)の一部だと言えましょう。
 善光寺さんに対する卵のお供えともとらえることができる光景です。