ちょっと前のことになりますが、
11月5日〜14日まで、善光寺で「お十夜」が行われていました。
10月は大本願、11月は大勧進。
この期間、夜に集い
住職たちのありがたいお話を聞き
参拝をするのが習わしです。

かつてはたくさんの参拝客がつめかけたという「お十夜」を
たくさんの人に楽しんでもらおうと「門前そばの会」のメンバーが
企画したのが、新そばの奉納と新そばのふるまい。

門前のそば屋さん13軒が集まって
この日のために準備をしてきました。

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そばを打っているのは「たきや」の職人さん。
「一本棒」でそば打ちができるということで抜擢されました。

メンバーはみんなそば職人でもあるのですが
「三本棒」という江戸前な打ち方をする人が多いらしいです。
「三本棒」はせまいところでも大きく「のす」ことができる打ち方だけれど、
「一本棒」の方が動きがあってかっこいい!ってことで決定したのだとか。

まあほんとに素早くそばができあがってしまったわけですが
職人さんにすれば、野外で、しかもこの寒さで打つ、というのはリスクが高く
のしている間に乾燥してひびが入ったり、切れやすくなったりするみたい。
それをみんなが見ている前でサクッとキメなくちゃいけない。
でも、さすがです。見事にキメてました。


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打ったそばと、新しいそば粉を善光寺本堂に奉納するところ。

今回は珍しい?女性の「善光寺木遣り」が登場しました。
「木遣り」は、善光寺造営のために木材を運んだ時に唄われたのが
現在に伝わっているものと言われています。

こういう神聖な儀式の時に、すごくいいなあと思いました。
祈る時間を与えてくれるというか。
木遣りを唄っている間、その歌声、強弱、節まわし、掛け声、
その抑揚にあわせて、ただ心をあわせる。それだけでなんか、
みんなで祈った〜って気になります。(単純?)

本来は祈るためにものではないかもしれませんが。


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それと忘れちゃいけない!
観光客だけでなく、地元のみなさんにも
そばの美味しさを楽しんでほしいと門前そばの会が
心を込めて振る舞った「新そば」。
県内産の、収穫したばかりのそばを使って
門前の職人が打つそばです。

これをツルっと食べて勝手に思いました。

そばは地元の人にも気軽に食べられるものになるべきです。
これはもう、味とかの問題ではなく、精神的な問題として。
ラーメンじゃなくてそばをツルッと食べる方がかっこいい、みたいな。
ラーメン食べたい時もあるんだけどね。

そんなことを思った夜でした。

(あやこ記す)

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