長野・門前暮らしのすすめ

門前暮らし日記

移動あんざい展

今週末、松本市あがたの森公園では、クラフトフェアが開催されます。先駆けて「工芸の五月」企画が、松本市内の各所で開催されています。(と言いつつ、もう5月も終盤ですね。告知がすっかり遅くなってしまいました…)昨年同様、今年も私は「工芸の五月」企画委員として公式ガイドブックの作成と企画運営に携わっています。今年は福島から義両親を助っ人に呼んで、わが安斎家総出で店番のお手伝いをすることになりました。それが25日(金)〜27日(日)の3日間、池上邸の蔵で行われる「移動あんざい展」です。といっても、わが家の名前を冠した訳ではありません。お招きしたのは、福島市の「あんざい果樹園」に併設する「utsuwa gallery あんざい」です。(同姓ですが血縁関係はありません。福島ではクラスにひとりはいるような メジャーな名前だそうです)夫の実家から車で10分ほどのところにある「あんざい果樹園」へは、昨年の正月休みに帰省した折、一家で遊びに行きました。直売所に併設する「Cafe in cave」で、果樹園で採れた新鮮なフルーツを使ったスイーツを食べたい!と思って行ったのですが、あいにくカフェは冬季休業中。ゴールデンウィークにまた来よう、と言いながら、「utsuwa gallery あんざい」で器や道具を物色したのでした。その春、東北を大震災が襲いました。そして原子力発電所の事故がありました。一緒に果樹園を切り盛りしつつ「Cafe in cave」を営んでいた次男ご夫妻は、幼子ふたりを連れて北海道へ移住、カフェは閉店しました。私はその経緯を、工芸の五月の企画会議でスタッフに話しました。そして「utsuwa gallery あんざい」を松本へ呼ぶ「移動あんざい展」が実現したのです。昨年11月には取材のため、カメラマンのモモセヒロコさんとともに福島へ行きました。夫の実家に泊めてもらって、なぜか取材にも同行した義両親。「移動あんざい展」には、ぜひふたりにも加わってもらおうと、その時から心に決めていました。と、個人的な思い入れを書いてしまいましたが、そんなことを抜きにしても、あんざいさんたちの作り出す空間は、とても居心地がいいのです。あんざいさんを慕って果樹園にはたくさんの人が訪れ、著名なミュージシャンがライブをしたり、料理研究家がおかあさんと一緒に台所に立つこともありました。果樹園を手伝う人や、来訪者を交えて囲む食卓は、いつもにぎやかでした。その延長に「utsuwa gallery あんざい」はあります。「移動あんざい展」では、普段使いのできる器や、使い勝手の良い道具を取り揃えます。(個人的には、食卓にそのままのせられるすり鉢をゲットしたい!)今週末の松本、クラフトフェアの行き帰りに、ぜひ池上邸の蔵にもおいでください。(妻記)追記北海道へ移住された次男ご夫妻ですが、かの地で「たべるとくらしの研究所」を設け、カフェ営業もはじめられました。そして急遽、今回の企画のために松本へやって来ることになりました!池上邸の庭に湧くおいしい水でアイスコーヒーなど淹れて、お出しするかもしれません。どうぞお楽しみに!(おまけ)5月あたまに行われた「はぐくむ工芸」にて。「子供の椅子展」は引き続きグレインノートで開催されています。hagukumu_anzai.jpg