長野郷土史研究会会員の古畑和男さんが本を出版されました。
『善光寺門前町と防火水路 世界に類を見ない「畳差し」』です。
安茂里在住の古畑さんは、もともと西之門町のご出身で、今年
80歳。10年ほど前から、生まれ育った門前町の防火水路の研究
をしてこられました。
この門前町は、たび重なる火災から、いかに善光寺を守るかが
課題でした。そこで町中にはりめぐらされたのが(特に明治24年の
大火後)、この本のテーマである防火水路でした。
また、緊急時には、畳(たたみ)を防火水路に挟むことで、水をせき
止め、水をくみ出して消火するという行為が行われました。建設部門の
技術者として働いてこられた古畑さんは、この「畳差し」を、世界に
類を見ない知恵と技だと指摘されています。
古くからの防火水路には、現在も残っている所があります。
その水源である善光寺の北側の池も、かろうじて残されています。
でもそれが、文化遺産としては、まだまだ意識されていないのは
残念です。
古畑さん、門前町が未来に向けて何を伝えたらいいのかの指針と
なる貴重なご研究をまとめていただき、ありがとうございました。