今日は知人達を西之門町界隈に案内し、全国でも珍しい手造りで洋傘を製造販売されている三河屋洋傘専門店さんを尋ねました。 店主の北澤さんは骨折されて退院したばかりと辛そうな表情で応対して下さいましたが、傘を手にとった途端、目が生き生きとしてきて話がポンポンと飛び出します。 「この傘は世界に一つしかない、思い出の布を送ってきてそれを傘に仕立てたもの。こういう依頼が数年先まで一杯でおちおち寝てもいられない。」 思い出深い布がこんな綺麗な傘に生まれ変わって、持ち主の方の感嘆の表情が見えるようです。 北澤さんのつくる傘の生地は織物をそのまま使うので傘の縁に縫い目がありません。この生地が入らなくてなかなか注文に応えられないそう。最初は冷やかし気分でしたが、次々に見せて下さる美しい傘に目は釘付けになり、「これは出世傘だよ。」という一押しに某大学院教授の知人は迷いなくお買い上げ。ついてきた可愛い秘書さんに「これ以上出世しようなんて図々しいです。」と怒られていました。ひがしざわも三河屋さんの傘はとても大切に使っています。強い雨の日にはささないで小降りの時のみ、お酒を飲んだりして忘れてこないよう近所にしか持って行きません。 そっと開いてきらきらした織りの生地が雨をはじく様を見て満足します。使った後のお手入れもかかせません。 もんぜんの宝物です。 ひがしざわ