子を持つまでまったく興味なかったのに、子を持ったら感動で涙をこぼすまでになってしまったテレビ番組、それが「はじめてのおつかい」です。はじめてのおつかいという行為は、達成した時に子どもが大きく大きく成長する、一つ高いハードルを越える大事な大事な瞬間なのかなぁと思います。子どもが生まれて以来、毎回楽しみにするようになった本当に素敵な番組です。さて、僕はあの感動をわが子でも味わいたいと常々思っていて、ことあるごとに「多笑ちゃん、一人でおつかいできる?」と聞いていたのですが、「できると思うよ」と言いつつも少し自信なさげで、まだ早いのかなぁと思っていました。しかし、多笑、3歳10ヶ月と20日。たまたま勃発した、僕「おつかいできるよ、多笑は!」妻「今日は雨だし、もう薄暗いから危ないよ!」という口論を聞いて、「たえちゃん、おつかい行きたい」と言い出し、ついに本日、降りそぼる雨の中、はじめてのおつかいをしました。頼んだのは、ビール。行き先は、わが家から200mほどの、いつもお父ちゃんやお母ちゃんと行っているとみやさん。銘柄がわかるようにメモを渡しました。カッパを着て、肩掛けカバンに財布を入れ、ミッフィーの傘を持って出発です。同時にお父ちゃんも物陰からカメラを持って出発です。無難にテクテク歩いて行きますが、一番の難関は、結構クルマ通りの多い交差点。事前に言い聞かせたとおり、多笑は右を見て左を見て、また右を見て、そこでクルマがやって来て、立ち止まり、また右を見て左を見て、またクルマが来て。3回ほど繰り返したところで、クルマの往来が途絶え、無事、交差点を渡ることができました。とみやさんでは、ご主人がレジにいて、僕は窓の外から隠し撮り。そのため、多笑がどのようなやり取りをしているのかわかりませんが、ご主人はほどなくビールの冷蔵庫の方へ。きっとメモを渡せたのでしょう。店から出てきた多笑は、お見送りしてくれたご主人と一緒に横断歩道を渡り、帰路につきます。肩掛けカバンにはちゃんと500mlのビールが入っている様子です。あとは、多笑に気付かれないように僕が先回りして自宅で待つのみ。こそこそと小走りで家に戻り、家に着いた多笑を記念撮影。いやぁ、感動しましたよ。こないだまでおっぱい飲んでいたような気がするのに、一人でおつかいというミッションを遂行しました。感想を聞いたところ、「きんちょうしたけど、たのしかった」とのこと。ちょっとした冒険を終えた多笑は充実した表情で満面の笑みを見せたのでした。(夫記)