長野・門前暮らしのすすめ

門前暮らし日記

日本の美しい風景ー無人直売所

「Book & Cafe ひふみよ」の無人直売所がオープンしました。場所は善光寺下駅から善光寺へ向かう途中、ひふみよへ曲がる角にある旧「シンカイ金物店」の軒先。値段もなんと100円均一です。mujin_anzai.jpg無人直売所というのは、人間の良心を前提に成り立っています。売り物が盗まれるリスク、売上金を盗まれるリスク、それらを差し引いても、マイナスにはなるまい、という性善説が根っこにあるからこそできる業態です。ある意味、日本の美しい風景の一つだと思います。日本以外の国で見たことはありませんし、ある国の人は、日本の自動販売機ですら「金庫が落ちているようとしか思えない」と言っていました。僕が育ったのは福島市のはずれの方でした。果樹園に囲まれ、無人直売所は当たり前のように点在していました。いたずら盛りの小学生高学年の頃、一度だけ、下校途中に鯉の甘露煮を無人直売所から頂戴したことがありました。どんな味がするかどうしても確かめてみたかったのです。味は覚えていません。半分も食べなかったと思うので、あまり美味しくなかったんだと思います。しかし、良心の呵責にだいぶ悩まされました。そして、何週間かした後、なけなしのお小遣いを料金箱に入れたのを覚えています。ひふみよの店主、今井さんも性善説で成り立っている地域で育ったんだろうな。それなりに時間が経過した後、今井さんに「万引き率」と売上箱が無事かどうかを聞いてみようと思っています。僕らの住む街は性善説で語るべきなのか、性悪説で語るべきなのか、バロメーターになるのではないかと思うのです。(夫記)