8月31日で、権堂にある老舗喫茶店「奈良堂(珈琲の奈良堂)」が閉店することになりました。
8月10日付の長野市民新聞は、1面で報じました。マスターは営業を続けたい思いがありましたが、建物の契約が切れ、壊されることになったための閉店です。
昭和22年(1947)の開店から、66年の長きに渡って続いてきた伝統が終わろうとしています。
名物ママが「私は歴史が好きなのよ」と話してくださったり、雨の日に帰れなくなり店内でずっと待たせていただいたり、何時間も郷土史の話を友と語り合ったり、映画館に行った後で感想を語り合ったり、シャンソンのコンサートを聴いたり、妻と結婚式の打ち合わせをしたり、・・・と思い出はつきません。
この奈良堂は芸術家たちの社交場であり、多くの催し物のポスターが今も貼られ、まさに長野の文化の発信基地となってきました。近年、門前にカフェが増えましたが、ここまで伝統に加え、文化を発信し続けてきたカフェは、長野市では奈良堂をおいてほかにないのではないかと思います。
どうぞ、思い出のある方も、行ったことがない方も、最後の奈良堂にお出かけください。昔を懐かしむだけでなく、長野っていいまちだということを再確認するために。
最終日の31日は、コーヒーが無料です。
奈良堂の2階。スピーカーから流れる音楽が心地よい。2階へもぜひ足を運んでください。