2014年度末、新幹線が富山県を通り、石川県金沢まで延伸されます。将来は福井県にも延びる予定です。
引き続き、善光寺周辺と北陸とのつながりを考えてみましょう。
石川県の人に聞いてみましょう。
「『門前』『門前町』って、知っていますか?」
おそらく、多くの人が知っていると答えるはずです。
長野県の人より、よほど、「門前」という言葉にピンとくるでしょう。
現在では、合併して、石川県輪島市門前町になりましたが、2006年まで、石川県には、その名もずばり「鳳珠郡(ほうすぐん)門前町(もんぜんまち)」という自治体があったのです。門前町というのが、そのまま1つの自治体の町の名前だったのは、全国でもここだけでした。
石川県立門前高校という学校もあり、文化祭の名称は、「門前祭」なのだそうです。
石川県門前町は、能登半島の西部にあり、曹洞宗総持寺祖院(そうじじそいん)の門前町でした。
総持寺は、越前(福井県)の永平寺と並ぶ曹洞宗の大本山でしたが、明治31年(1898年)に焼失し、横浜の鶴見に移転してしまいます。その跡に、現在の総持寺祖院というお寺ができました。
その総持寺には、信州の善光寺とかかわりのある、こんなお話があります。(小林玲子の善光寺表参道日記より)
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昔、総持寺に味噌(みそ)すりが仕事の小僧さんがいました。
小僧さんの唯一の願いは「一生に一度は善光寺参り」。
いつも境内のお地蔵様に手を合わせていました。
するとある時、お地蔵様が小僧さんに替わって味噌すりを引き受け、善光寺参りをさせてくれたのです。
それ以来、このお地蔵様は「味噌すり地蔵」と呼ばれています。
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このお話は有名で、1985年には、人気テレビアニメ「まんが日本昔ばなし」でも放送されました。