長野・門前暮らしのすすめ

門前暮らし日記

071 小さな古い地名を大事にした小学校

 善光寺門前界隈の子どもたちが通う学校には、城山小学校、加茂小学校、後町小学校(3月で閉校)、鍋屋田小学校、山王小学校などがあります。
 これらの学校の名前を見ていると、いかにも古風です。しかも、名づけ方に共通点があることに私は気がつきました。
 善光寺門前の小学校は、学校のある場所の、江戸時代以来の小さな古い地名・スポットを学校名にしているのです。
 城山は善光寺の東側の山ですし、加茂は加茂神社。後町は西後町と東後町とがあるものの比較的狭い範囲で、鍋屋田や山王となると、小字(こあざ)です。加茂北、後町町並などの小字もあります。
 それに対して、戦後にできた周辺の、南部小学校(元南部中学校)、裾花小学校は、地域を抽象的に広くとらえて、名づけられています。
 学校名のつけ方に、どれが正しいということはありません。ただ、南部小学校出身の私としては、長野市が拡大し、どこの南部かさっぱり不明になってしまった以上、気持ちの中で学校が地域と結びつかないのです。だから、古い地名の学校には憧れがあります。
 学校名は、歴史的な地名を今に伝えて続けている財産です。どうか将来、統合されて、「長野中央小学校」のような過去とつながりのない名前にならないように願っています。
 
<追記 1.17>鍋屋田小学校は、明治時代、当時名づけられたばかりの千歳町、あるいは鶴賀という地名から「千歳小学校」や「鶴賀小学校」とはしなかったことからも、歴史的な地名を重視したことがわかります。