長野・門前暮らしのすすめ

門前暮らし日記

027 相生座のはじまり(2)

 権堂にある映画館・相生座は、明治25年(1892)、
千歳座(ちとせざ)という名前の芝居小屋としてオープンしました。
(以前に「015」でも紹介しました)
 千歳座という名前の芝居小屋は、当時、東京を始め、全国各地に
ありました。しかし、経営が同一人物というわけではなかったよう
です。
 長野の千歳座の開場式は、明治25年12月に行われました。
東京から歌舞伎役者である初代・市川左團次(いちかわさだんじ)が
来場し、連日歌舞伎を公演しました。その広告が、当時の信濃毎日新聞の
1面トップに、12月1日から7日まで、6日を除き毎日掲載され
ました。当時は1面のトップは普通の記事でなくて、広告だったのです。
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明治25年12月1日、信濃毎日新聞1面
 その広告によると、市川左團次は、長野の千歳座での公演に
招かれたことで、善光寺に参詣したいという長年の願いがかなう
と喜んでいます。
 善光寺のある町だからこそ、この町で行う公演には特別の
思いがあったことでしょう。(小林)