長野・門前暮らしのすすめ

門前暮らし日記

014 「千と千尋の神隠し」

 善光寺周辺が、どうして妻籠宿や海野宿のように重伝建
(重要伝統的建造物群保存地区)になろうとしているの
でしょうか。それはもちろん、古い木造の建造物が密集して
いるからです。
 特に注目なのが、宿坊の木造3階建ての建物の多さ。
木造3階建て建築の日本一の密集地とも言われています。
それだけ、全国から多くの泊まり客が訪れた地、それが
善光寺です。
 
 善光寺には39もの宿坊があります。
 院とつくのが、25。天台宗。
 坊とつくのが、14。浄土宗。
 それぞれにご本尊、ご住職がいらっしゃいます。
 その院坊の多くには、明治時代の、100年以上前の
建物が残っています。
 善光寺だから、もっと古いのかと思われました?
実は、明治24年(1891)に善光寺門前で大火が
あって、その時、主な建物はほとんど焼けてしまいました。
惜しいことです。
 
 以前、県外から来た観光客に、宿坊の建ち並ぶ道を案内
していたら、「ジブリ映画『千と千尋の神隠し』の世界
ですね」と言われました。おそらく、あそこに出て来る
「油屋」のような立体感や、異界に踏み入れた雰囲気を
宿坊に感じたのでしょう。
 地元で見慣れた私には気がつかない、ユニークな感想
だと思いました。