門前暮らしのすすめ
真子のスケッチ・ジャーナル 02
ねぇさんの葡萄ケーキ/ A Grape cake.
ぶどうの樹の下でおやつ。ナガノパープル(葡萄の品種)と、ナガノパープルをつかったケーキ、それから珈琲。9月、長野県坂城町にあるキタムラヴィンヤードにて。
A grape called ‘Nagano purple’ and a grape cake were treat for hard workers. It’s a yummy memory at Kitamura Vineyard, in Sakaki town, Nagano prefecture, in September 2014.
****************************************
雪の降るまちで暮らしたことがなかったわたしにとって、長野の寒さは今まで
体感したことのないものでした。2013年12月、どんどん寒くなっていくばかりの
時期からはじめた長野生活です。寒さとどう付き合っていったらいいんだろう、と
不安になっていたそんな時、「電気毛布」をかしてくれた人がいました。
「ねぇさん」です。
ねぇさんと出会った場所はアジアン・ナイト・マーケット(以下アジアン)。
中央通沿いにあるタイ料理が食べられるバーと、雑貨のお店です。
わたしの長野暮らし、はじまりの場所。であり、しばらくお店の2階に暮らしていました。ねぇさんは元アジアンのスタッフ。わたしが出会った頃はちょうど農家に嫁いで行った
あとでしたが、お店によく来ていました。2階で暮らし始めたわたしに
「ここで寝ているの?寒いでしょーう。」と、声をかけてくれて、次にあったときには
使っていない電気毛布を貸してくれたのです。友達や親戚のいない土地で心細かった
時期でもありました。初めて電気毛布にくるまって眠ったあたたかい夜、
人のあたたかさを感じてなんだかちょっと涙ぐんだのを覚えています。
このあいだの秋(9月)に、ねぇさんの働く畑を訪ねました。
見晴らしのいい山の斜面にある葡萄畑。葡萄棚の下を吹き抜ける風に乗って、
たわわに実るナガノパープルの甘い香りが漂います。長野に来て初めて耳にした
「ナガノパープル」という名前、長野県で生まれた新品種らしいです。
市場に出回り始めてから間もないこともあり、他の葡萄に比べ希少で高級品なのだとか。
味見させてもらいました。あまぁい!皮ごと食べられる!皮も渋くなくて甘い!と大興奮。
収獲作業で忙しそうなねぇさんでしたが、おやつの時間には手作りのケーキが
出てきました。ナガノパープルをふんだんに使った葡萄ケーキ。パウンドケーキの
切り口に、葡萄の濃紺、紫が映えます。カップに注がれるのはあたたかい珈琲。
葡萄の樹の下での束の間のピクニックを楽しみながら、あぁいい時間だなぁ、と。
長野県っていい場所だよなぁってしみじみ思いました。
(門前まちから、ぐっとエリアを広げてのエピソードでした。)
キタムラ・ヴィンヤード https://www.facebook.com/Kitamuravineyard?fref=ts
アジアン・ナイト・マーケット http://asian-night-market.net/
真子